研究室ガイド

玉川大学 入試Navi

卒業研究紹介

2021年度卒業の生態系科学領域の卒業生による研究紹介です(關 義和 准教授指導)

鹿児島県徳之島におけるアマミノクロウサギの
ロードキル対策としての生息地選択の評価

鹿児島県徳之島におけるアマミノクロウサギのロードキル対策の検討を目的に、本種の糞塊の発見位置と周辺環境の関係を調べた。踏査した6ルートのうち2ルートで101の糞塊が発見された。糞塊の発見確率は、二次草原、耕作地、常緑広葉樹林地に近いほど高かった。本種は、草本や低木、樹皮を主に採食するため、採餌目的で二次草原と常緑広葉樹林地を選択的に利用したと考えられる。耕作地では、草本等の植物量が多く、本種の食害が確認されているタンカンもあるために、選択的な利用に繋がったものと推測される。これらの土地利用が混在する地点周辺では、本種のロードキルリスクが高くなることが予想される。そのため、本種の保護のためには、こうした環境で特に対策を強めていく必要がある。

調査で確認されたアマミノクロウサギの糞粒

研究に取組んだきっかけ、感想など
私の出身地である鹿児島県は離島が多く、そこには数々の固有種が生息しています。それらは多くの場合人間の影響を受けており、その結果危機的な状況に陥っていることも珍しくありません。私が鹿児島に住んでいた時にも、交通事故に遭ったアマミノクロウサギが動物園等で保護されるということが何度かありました。卒業研究を通じて、私はアマミノクロウサギという種の状況を身近に感じることが出来ました。