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卒業研究紹介

2021年度卒業の生態系科学領域の卒業生による研究紹介です(関川 清広教授指導)

玉川大学キャンパスにおけるチョウ相の評価

環境指標生物としてのチョウ相に着目し、玉川大学キャンパスの現在のチョウ相の評価、1970年代との比較、都市域に残されたキャンパス里山の環境評価を目的とし研究を行った。ルートセンサス法により、チョウ類の種数と個体数および訪花植物を記録した。本研究では、42種2160頭のチョウが観察された。1970年代に対し、23種が観察されず、特に一化性と森林性の種が見られなかった。分布北上中の南方系のクロコノマチョウなど3種や、都市域での植栽植物を利用するツマグロヒョウモンとムラサキツバメが新規に観察された。アカシジミやオオチャバネセセリ等のレッドリスト記載種が現在も観察され、都市域の生物多様性保全上、本学キャンパス里山の重要性が確認できた。

アカシジミ(左上)とアカボシゴマダラ(右上)
ヒメジョオンに訪花するモンシロチョウ(下)

研究に取組んだきっかけ、感想など
研究内容を決める中で、チョウが植物と密接な関りがあり、環境指標生物としての役割を持つことを知り、興味を持ちました。都市部に位置するも、緑が多く里山的環境を持つ玉川大学キャンパスが、チョウにとってどのような環境であるか評価したいと考え研究を行いました。約1年間かけて取り組んだ卒業研究は大変貴重な経験となりました。