研究室ガイド

玉川大学 入試Navi

卒業研究紹介

2022年度卒業の生態系科学領域の卒業生による研究紹介です(南 佳典 教授指導)

北海道弟子屈農場美留和演習林における倒木
および周辺環境が倒木更新に与える影響

倒木更新は森林生態系において非常に重要な更新様式の一つである。世界的に研究が進められており、更新状況や腐朽度は各地の環境に依存するとされている。本研究では弟子屈農場美留和演習林内において、倒木更新に影響を及ぼしている倒木の属性および環境要因について検討することを目的とした。林内において様々な特徴の倒木を選定し、倒木の属性、周辺の環境要因を調査し、倒木更新に有用な倒木および環境要因を検討した。結果、美留和演習林における更新立地として有用な倒木の特徴および周辺環境として、開空度が高い環境下にある、大きく、かつ腐朽が進んでいる倒木が特定された。一方で、トドマツ本数が多い植林地は倒木更新に向かない環境であることが示唆された。

倒木更新(左)、倒木上の実生(右)

研究に取組んだきっかけ、感想など
弟子屈農場での演習の際に「倒木更新」を見て興味を惹かれました。倒木更新とは樹木が更新立地として倒木を利用する事で、森林内で枯死した樹木を利用した再生サイクルが形成されている事に感動しました。この経験から自身が環境に興味を持ったきっかけでもある北海道で倒木更新について研究を行いたいと考えました。現地での研究調査や共同生活を学生同士協力して行った経験は、非常に貴重で何物にも代え難い経験となりました。