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卒業研究紹介

2022年度卒業の生態系科学領域の卒業生による研究紹介です(關義和 准教授指導)

外来種ハッカチョウが在来種ムクドリに及ぼす影響

外来種であるハッカチョウがムクドリに及ぼす影響を評価するために、神奈川県横浜市戸塚区でラインセンサス法による調査を行い、両種の環境選択を比較した。ハッカチョウは47個体、ムクドリは75個体観察され、2種の分布の重複率は低かった。しかし、一般化線形モデルによる解析の結果では、ムクドリの個体数に対してハッカチョウの個体数は負の影響を及ぼしていた。これらの結果から、両種の空間分布の相違はそれぞれの種生態に基づくものではなく、ハッカチョウによるムクドリの排除の結果生じたものと推察される。ムクドリの保全のためには、ハッカチョウの生態系内からの排除が必要であるとともに、ムクドリの個体数が減少しないか注意深くモニタリングしていく必要がある。

調査地である神奈川県横浜市戸塚区の風景

研究に取組んだきっかけ、感想など
ハッカチョウは、地元でもある調査地の横浜市戸塚区の地域ではよく見かける鳥で、大学に入学した当初からこの鳥について研究してみたいとずっと思っていました。しかし、研究を進めていく中で、解析の複雑さや卒業論文そのものの難しさにとても苦労しました。それでも、目の前の課題に対して諦めずに少しずつクリアしていき、全ての努力が報われた瞬間には、一生忘れられない貴重な経験になっていました。