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卒業研究紹介

2022年度卒業の持続的農学領域の卒業生による研究紹介です(小原 廣幸教授指導)

毛管水耕栽培装置における液槽内の濃度の違いが
トマトの生育に与える影響

毛管水耕法による高糖度トマトの栽培方法において、培養液濃度の上昇が問題となっている。毛管水耕栽培装置の液槽内の濃度をEC1.5に保つ区とEC2.0に保つ区、EC1.5を給液し続ける区で検討した。茎長はすべての処理区で同様に伸長し、葉数は摘心まで増加した。最終調査、果実調査ともに処理区間に有意差がみられなかった。1.5保持区の果実のBrix糖度と酸度は、第5果房で最も高い傾向がみられた。栽培終了時の液槽内の養液濃度は、1.5給液区でEC5mS/cmと高くなった。1.5保持区と2.0保持区は、液槽内のECの上昇を抑え施肥量を減らすことができた。このことから、糖度が高く施肥量の少ない1.5保持区が、糖度7.8のトマト果実を生産できると考えられる。

栽培期間中の様子(左)とトマト果実(右)

研究に取組んだきっかけ、感想など
1年生の農場実習Ⅰでトマトの露地栽培を経験し、水耕栽培とはどのように違うのか興味がわいたのでこの研究に決めました。栽培期間中は、自分の要領の悪さと計画力の無さを痛感しましたが、同じゼミの仲間たち、先生に助けられながら研究を進めることができました。暑さと蚊に耐えながらの温室作業も、今では良い経験に感じます。今回の研究で得られた経験を今後の人生の糧にしていきたいと思います。