研究室ガイド

玉川大学 入試Navi

卒業研究紹介

2022年度卒業の生態系科学領域の卒業生による研究紹介です(小林祥子准教授指導)

Cバンドマイクロ波衛星を用いた
水稲生育モニタリングと穂の含水量推定の検討

地球温暖化に伴う水稲の高温障害が全国的に発生している。登熟期の高温により品質や収量の低下が起こるため、登熟後すぐに収穫を行う必要があり、衛星画像を活用した収穫適期の推定が求められている。そこで、本研究では長野県の水稲圃場を対象とし、Cバンドマイクロ波衛星Sentinel-1データを用いた穂の含水量の推定を目的とした。12圃場を対象に草丈、茎数、出穂率、葉含水率、穂含水率の調査を行い、現場調査データとマイクロ波衛星の後方散乱強度を解析した。結果、入射角の大きいファーレンジ画像のVH、VV偏波が穂含水率と強い負の相関を示した。本研究により、Cバンドマイクロ波衛星による穂の含水率の推定可能性が示され、収穫適期の推定に大きく寄与したと言える。

2022年8月25日長野県佐久市の現地調査

研究に取組んだきっかけ、感想など
米は日本人の主食であるが、農業就業者の減少に伴い、供給されないことが危惧されるため研究を行いました。現地の農家の話を聞くことができ、良い経験になりました。また、小林先生と先生の息子さんと現地調査に行き楽しかったです。今後も農業就業者は減少し続けていくと考えられますが、この研究が農家の負担を軽減することに役立てば良いと思います。怒られることも多々ありましたが、この研究をやって良かったと思います。