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卒業研究紹介

2022年度卒業の持続的農学領域の卒業生による研究紹介です(山﨑 旬 教授指導)

ラン科植物(キンラン、エビネ)の採種法の検討
-自家受粉、他家受粉および受粉量について-

絶滅が危惧されるキンラン、エビネの増殖技術の一環として、人工受粉による自家、他家受粉および受粉量の違いが着果率や種子生産数に与える影響について調査した。キンランは自家、他家受粉どちらも受粉量が多いほど着果率は上昇した。エビネは自家受粉では受粉量が少ないほど、他家受粉では受粉量が多いほど高い着果率を示し、キンランの着果率は、エビネと比べ非常に低かった。キンランは自家受粉かつ受粉量を多くし、エビネは他家受粉による処理によってより多く採種することができた。 ただし、キンランは供試果実数が十分に得られなかったため、今後は着果率を高めるための調査が必要である。

キンラン(左)とエビネ(右)

研究に取組んだきっかけ、感想など
絶滅危惧種に指定されている植物の保全に関する研究をしたいという思いから、本研究に取り組みました。本研究では野生個体を対象としていたため、野外での受粉作業から種子数の計測まで1通りの手順で行いました。種子数の計測では1果実内に1万粒を超えるものもあり、非常に大変な作業ではありましたが、得られた結果を基に自身の考察を交えて卒業研究を完成させることができました。