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卒業研究紹介

2022年度卒業の持続的農学領域の卒業生による研究紹介です(上原 歩 准教授指導)

日本に自生するムラサキ科植物10種のフラボノイドを含む
フェノール化合物の組成とキュウリグサに蓄積する物質の特性

薬用などに利用されているムラサキ科植物はフラボノイドを含めたフェノール類を豊富に含むものの、日本に自生する種については報告が少ない。本研究ではそれらの物質組成の調査と定性分析を行った。本科10種より、計17種類の成分が確認され、中でもキュウリグサが最も多くの成分を含有していた。これの主要成分の定性分析を行った結果、いくつかのフラボノール型のフラボノイドやカフェ酸やロスマリン酸などの有機酸を含むフェノール類を含有していることが推定された。これらを他種と比較したところ、ロスマリン酸は10種全てで確認され、日本産ムラサキ科植物を特徴付ける物質のひとつであることが示唆された。この特徴は海外の報告とも一致していた。

実験に供試したキュウリグサ

研究に取組んだきっかけ、感想など
植物に含まれている化学物質に興味があったので、このテーマを選びました。卒業研究を通して感じたことは、自分を律して物事に取り組むことの大変さです。自分を律することができず、自分の首を絞めてしまい、大変な時もありましたが、先生やゼミの皆に支えられて何とか遂行することができました。そして、今回の研究で供試したムラサキ科植物への愛着が湧きました。今後、ムラサキ科植物について色々解明されることを願っています。