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卒業研究紹介

2022年度卒業の持続的農学領域の卒業生による研究紹介です(小原廣幸 教授指導)

イチョウチップ培地を用いた非循環式養液栽培における
廃液を出さない給液量がトマトの生育に与える影響

使用済みのロックウールは産業廃棄物として埋め立て処分される。本大学ではロックウールに代わる代替有機培地として、イチョウの剪定枝のチップを用いて給液量を、成長段階に合わせてタイマーを用いて1日あたり1分間を1回、2回、3回、4回給液する4処理区と設定し、生育、果実品質、収量、培地、植物体を調査した。給液回数が多くなると、果実重量と縦径、横径、着果数が大きく、糖度が低くなり、給液回数が少なくなると、果実重量と縦径、横径、着果数が小さく、糖度が高くなった。定植後1株あたり11.9mℓ/日、第1花房開花後71.4mℓ、第2花房開花後166.6mℓ、第3花房開花後333.2mℓと成長段階に合わせて給液することで、余剰液を出さず高品質なトマトの生産でき、環境負荷を与えない栽培ができると考えられる。

栽培している様子1、2

研究に取組んだきっかけ、感想など
環境に優しく甘いトマトが作りたいと思い、トマトの栽培に取り組みました。栽培するにおいて、炎天下の中、温室で生育調査やトマトに給水する培養液作りがとても大変でした。研究が進むにつれ、収穫したトマトを美味しく食べ、やりがいを感じました。果実や培地の調査は、中和滴定や土壌分析など、今まで習ってきたことが繋がり役に立ちました。イチョウチップを用いた環境に優しいトマトの栽培が普及するといいなと思います。