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卒業研究紹介

2022年度卒業の⽣態系科学領域の卒業生による研究紹介です(関川清広 教授指導)

広葉樹二次林における
生木と枯死木周辺の土壌呼吸特性

土壌呼吸は植物根と土壌生物の呼吸からなり、森林生態系において炭素放出フラックスとして重要である。本研究はナラ枯れによる枯死木が広葉樹二次林の土壌呼吸に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。生木6本、枯死木4本を対象に、月に一回土壌呼吸速度、地温、土壌含水率を測定した。枯死木周辺の土壌呼吸速度は、樹幹直近0.3mでは季節変化が不明瞭であった。生木と枯死木のいずれも、地温を用いた土壌呼吸速度の推定は可能であるが、土壌含水率による土壌呼吸速度の推定は困難であった。一方、生木と枯死木いずれも、樹幹から0.3mと1mの地温には差がなく、土壌含水率は1mの方がやや高い傾向を示した。樹木の生死と共に、樹幹周囲の林床植生の影響を考慮する必要がある。

各月の土壌呼吸速度

研究に取組んだきっかけ、感想など
昨年の先輩の卒業研究の発表で土壌呼吸について知りました。土壌呼吸は森林生態系の炭素循環の炭素放出フラックスとして重要です。土壌呼吸は植物の根の呼吸と微生物呼吸の呼吸からなっているものです。樹木が枯死することで土壌呼吸が単に減少してしまうのかまた、何らかの要因で増加、変わらないのかということが気になったことがきっかけです。自分が主体となって調査の方法などを行った卒業研究は貴重な体験になりました。それと同時にこういう風にしてみてよかったのでないかという改善点のようなもの考えられ、とても楽しかったです。