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卒業研究紹介

2022年度卒業の⽣態系科学領域の卒業生による研究紹介です(友常満利 准教授指導)

都市域に残された里山林(玉川学園キャンパス)の
純一次生産量の推定

都市域に残された里山林は、周辺地域の大気CO2の吸収源として重要な役割を果たしている。本研究では、玉川学園内の7つの林分を対象に、被覆面積と単位面積当たりのCO2吸収量を明らかにし、里山林全体としてのCO2吸収能の評価を行った。結果、林分の被覆面積は学園の総面積の45%を占め、そのうちコナラ・シラカシ放棄林が最も多くを占めた(64%)。単位面積当たりのCO2吸収量はクスノキ植栽が最も高かった。これらから里山林全体の炭素吸収量は70tと推定された。今後はより正確な推定値を算出し適切な評価を行うために、一年を通した継続調査や竹林などの評価を進めていくことが望まれる。

毎木調査の様子

研究に取組んだきっかけ、感想など
近年、地球温暖化問題の解決に向けて森林が持つ多面的機能が注目されています。しかし、日本の里山林は生活様式の変化や都市化、管理放棄や樹木の高齢化などが進み、生態系サービスの低下が危ぶまれています。本研究では、都市域に残された里山林の一例として、毎木調査とドローンによる空撮や地理情報システム(GIS)による画像解析といった最新技術を駆使しながら取り組みました。これらの経験はとても貴重なものとなりました。