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卒業研究紹介

2022年度卒業の持続的農学領域の卒業生による研究紹介です(上原 歩 准教授指導)

北海道におけるハマベンケイソウの花色変化と
訪花昆虫の生物間相互作用について

ハマベンケイソウは、開花中に花色が赤紫色から青紫色に変化する特徴を持つ。この花色変化は、古い花を維持することで、訪花昆虫に対して遠方からは株全体を大きく見せ、近くでは餌資源となる花蜜や花粉を持つ若い花に誘導し、効率よく受粉していると考えられている。本種においても過去の秋田県の調査から同様の働きが予想されている。本研究では秋田県と環境の異なる北海道において、本種の花色変化と訪花昆虫の関連性について検証した。調査の結果、北海道の主要な訪花昆虫はマルハナバチの仲間となり、秋田県とは種が異なったが、古い青紫色の花よりも若い花を優先的に選択していた点において一致しており、本種の花色変化においても訪花昆虫の行動を制御していると考えられた。

ハマベンケイソウに訪花するエゾオオマルハナバチ

研究に取組んだきっかけ、感想など
本研究の魅力は、普段の私生活の中ではなかなか見えにくい昆虫と植物の生物間の繋がりを見ることができるところです。私自身、元々昆虫に興味があった事もあり、本研究を通じて昆虫や植物が長い時間をかけて作り上げてきた相互関係を自分なりに解明していく事にとても面白さを感じました。卒業研究は1年間という短い期間でやり遂げなければいけない大変さはありましたが、その分やりがいや、達成感を感じ、貴重な経験をさせていただきました。