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卒業研究紹介

2022年度卒業の持続的農学領域の卒業生による研究紹介です(上原 歩 准教授指導)

イタドリのフラボノイドを用いた生存戦略

欧州で外来種として知られるイタドリは、在来種の生育環境の減少、近縁種との交配による、遺伝子汚染を引き起こすことが問題視されている。前任者の研究より、本種の種子を覆う痩果から複数のフラボノイドが報告されており、これらはストレスに対する防除物質として機能していることが予想されている。本実験では花及び痩果が成熟する過程で成分量がどのように変動するのかを明らかにする。分光光度計を用いて測定した結果、フラボノイド量は成熟初期に大きく増加し、その後安定したことから、種子の成熟を紫外線や昆虫から守る防除物質として働いていると考えられた。フラボノイドの蓄積を抑制することができれば、新たな外来種防除の方法に繋がると期待できる。

植物材料のイタドリと、花から痩果になるまでのフラボノイド量の変化

研究に取組んだきっかけ、感想など
講義で外来種について学んだ事をきっかけに、日本から世界に侵出した外来種について研究してみたいと考えました。研究では花から痩果にかけての成熟段階別で調査するため、1週間ごとに採取と分析を行なった事で、実験の大変さを実感できました。学生生活で初めて行ったこの大掛かりな研究は、今後の人生においての糧となる、とても貴重な経験となりました。