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卒業研究紹介

2023年度卒業の持続的農学領域の卒業生による研究紹介です(小原 廣幸 教授指導)

日本におけるNERICA10の異なる播種時期が
生育に及ぼす影響

アフリカの飢餓対策のために開発されたコメ品種、NERICAは、栽培技術の情報の不足が課題となっている。イネ研究が進んでいる日本で、NERICAの栽培が可能となればこの課題を解決できる。本研究はNERICA10を用いて、異なる播種時期、4~7月の播種で栽培し、日本での最適な生育を示す播種時期を調査した。4月区は、開花直後に高温障害となり、登熟歩合が低下した。5月区は、栄養成長期が適温となり良い生育を示したが、8月中旬の高温が稔実に影響し千粒重が減少した。6月下旬区は、開花直後と稔実期が適温になり収量が最も高かった。7月区は生殖成長期の低温で受粉が不可能だった。このことから日本での研究の際に播種は、5月~6月下旬に行うことが最適と考えられる。

NERICA10の異なる播種による栽培

研究に取組んだきっかけ、感想など
畑作物の研究がしたいと思っており、自分が所属する持続的農業システム学分野ではNERICAという陸稲のアフリカイネの研究を行っていたため、とても興味が湧き、研究に至った。イネ研究が進んでいる日本で、NERICAの播種時期を解明することで、まだ未解明のNERICAの研究の手助けができるのではないかと考えた。約1年間、「一つのものを研究する」という誰しもができない貴重な経験ができたことは私にとって大きな財産となった。