卒業研究紹介
2023年度卒業の持続的農学領域の卒業生による研究紹介です(山﨑 旬 教授指導)
タンカン用台木カラタチ変異株のクローン増殖に関する研究
-ヒリュウを用いた無菌培養法の検討-
タンカン栽培の北限付近である鹿児島県薩摩半島においては、生理落葉による隔年結果が問題となっている。玉川大学南さつまキャンパスにて生理落葉が発生しないタンカン樹が発見され、台木のカラタチが変異株であることが確認された。実証実験を行う上でこの台木をクローン増殖させる必要があり、カラタチ変異種であるヒリュウを用いて無菌培養による増殖方法の検討を行った。 MT培地を基本培地とし、シュート形成に有効な植物ホルモン濃度はNAA0.1ppmに対しBA1.0ppmおよび1.5ppmであった。また、野外成木の腋芽を無菌系に導入して増殖させるための殺菌処理方法を検討し、十分な殺菌が必要であることがわかった。さらに、無菌環境から野外へ植え出すための順化方法を検討し、一定の成果が得られた。
研究に取組んだきっかけ、感想など
南さつまキャンパスでの実習で、果樹の接ぎ木実習を行い、果樹栽培に興味を持ちました。研究を決める際に山﨑先生に相談したところ、タンカン栽培の課題と変異株が発見され増殖の必要があることを教えていただき、この研究に決めました。研究計画通りに進まず苦労しましたが、先生や仲間に協力してもらい、試行錯誤しながら無事に論文を完成させることができました。大変なこともありましたが大学4年間総じて楽しい学生生活になりました。