卒業研究紹介
2023年度卒業の持続的農学領域の卒業生による研究紹介です(上原 歩 准教授指導)
鹿児島県南さつま市で栽培された
柑橘類の一種であるタンカンの品質調査
玉川学園では2023年より、南さつま市において屋根掛け栽培で育てられたタンカンの販売を始めている。よって本研究では、南さつま市で栽培されたタンカンの基礎的知見を得るため、果実の成熟に伴う品質変化を経時的に調査した。形態と重量は6月から2月にかけて肥大し、色彩はL*とb*が10月~12月に、a*は12月以降に値が増加した。糖度の上昇は10月から、酸度の減少は8月からみられた。本研究で供試したタンカンの生長は多くの項目で鹿児島市で露地栽培された本種の報告と一致した。しかし、12月以降も重量が増加した点とb*の最終値が南さつま市の方が高い数値を示した点は異なった。これらは屋根掛け栽培による冬季の保温機能と雨や風を防除したことに関係すると考えた。

研究に取組んだきっかけ、感想など
私は2年次におこなった南さつまキャンパスでの農場実習で、自然や食文化に興味を持ち、この場所で研究したいと思い、タンカンの品質調査を研究テーマにしました。2023年の2月、6月、10月、12月に現地に足を運び、稀有な経験と、充実した研究ができました。ここでの経験から、柑橘類だけでなく果樹全体に興味を持つようになりました。それでも、私の一番はタンカンです。ご興味ございましたらお試しください。