卒業研究紹介
2024年度卒業の持続的農学領域の卒業生による研究紹介です(山﨑 旬 教授指導)
コスモス イエローキャンパスの周年開花技術の検討
―播種時期および短日処理期間の違いが生育に及ぼす影響―
イエローキャンパスは玉川大学農学部で育種され、本学園においては周年開花技術の確立が望まれている。本実験では日長調節のできる温室を設定し、周年開花を目指して、播種時期および短日処理期間の違いがコスモスの生育に及ぼす影響について調査を行った。その結果、4月、5月、8月、9月に播種・栽培した処理区で充分な量の開花が認められたが、4月、5月に播種した場合は奇形花が多くみられた。一方、6月、7月に播種した場合は開花は認められたが、到花日数が長いことや草丈が徒長するなど、問題点が多くみられた。今回得られた結果から、イエローキャンパスを4月から9月に播種して開花時期を早めるためには、少なくとも4週間の短日処理が必要であり、品質の良い開花株を得るためには、日長と気温の両方を制御する必要があると考えられた。

研究で得られた美しいコスモスの切り花(下)
研究に取組んだきっかけ、感想など
黄色いコスモスが玉川大学農学部により育種されたことを知り、本研究を行いました。夏季の調査では、何度も倒れそうになり、開花しているコスモスを見るのが嫌になる日もありました。ですが、研究が終盤に近付き、コスモスとの別れを感じたときにはまだ研究していたいという気持ちが芽生えました。想像を超えるほど大変な研究でしたが、今後の研究のために良い結果が得られたので満足です