卒業研究紹介
2024年度卒業の持続的農学領域の卒業生による研究紹介です(上原 歩 教授指導)
品種登録から20年以上経過した黄色系統コスモスの特性調査と
選抜による品質良質化への取り組み
黄色系統コスモスのイエローガーデンとイエローキャンパスは玉川大学が作出に関わっており、それぞれ1987年と2002年に品種登録された園芸品種である。これまでにイエローガーデンでは品種登録から9年後には花色が淡い個体や、様々な花型が見られ、品質の劣化した変異幅の広い集団となっていたことが報告されており、これらは選抜により品種登録時の特性に近づけられることが明らかとなっている。本研究では、黄色系統コスモス2品種の現在の特性と、選抜による品種の良質化を試みた。春と秋に市販種子を栽培し、品種登録時に記載された項目を調査した結果、いずれも花型は品種登録に記載されている野生型一重以外の花型が観察された。また花冠が小さく、花弁が細長くなる傾向が見られた。花色はいずれも品種登録時よりも淡かった。春栽培時に品質が良好な個体を用いて選抜し、得られた種子を秋に栽培した結果、花型の変異幅を減らすことに成功した。

研究に取組んだきっかけ、感想など
黄色系統コスモスは玉川大学で作出された品種であり、とても綺麗な花色のため興味を持ちました。加えて、イエローガーデンの特性調査を行う先行研究を見つけたことで、今回の研究に取り組むことに決めました。卒業研究では、供試材料であるコスモスを栽培し、定期的に観察する中で、イエローガーデンとイエローキャンパスの特性の違いや、春と秋での栽培方法の違いを学ぶことができました。