研究室ガイド

玉川大学 入試Navi

卒業研究紹介

2024年度卒業の持続的農学領域の卒業生による研究紹介です(山﨑 旬 教授指導)

タンカン用台木カラタチ変異株のクローン増殖に関する研究
-組織培養による清原1号(仮称)及びヒリュウの増殖の検討-

タンカンは、日本では鹿児島県南部から沖縄県にかけて栽培されるカンキツ類である。鹿児島県のタンカン栽培において、生理落葉現象とそれに伴う強い隔年結果が問題となっている。玉川大学南さつまキャンパス清原園では、生理落葉の起きないカラタチ台タンカン樹が発見された。この台木による栽培技術の改善を試みるため、クローン大量増殖を目指し、組織培養での増殖方法を検討した。外植体の無菌条件下への導入は、温室で栽培した材料を用いることで80%以上の殺菌成功率を得た。導入した外植体の腋芽は、芽部分のみを切り取った小片に調製し、MT培地にNAA0.1ppm及びBA1.5ppm添加することでシュート形成を促すことができた。シュートからの発根については、NAA0.5ppmを添加したMT培地において確認できた。

清原1号(左)、シュート数・長の変遷(右)

研究に取組んだきっかけ、感想など
幼い頃から果物が好きで、国内プログラムで鹿児島の南さつまキャンパスにて地域特有の果樹栽培について学びました。また、3年次の領域演習Aでは組織培養操作を経験しました。自分で培地内の栄養を制御できることや試験管内で植物体を再生させることに興味を持ち、果樹に関わりのあるカラタチを培養技術で増殖させる研究を引き継ぐことを決めました。多くの時間と労力を費やし、様々な方の協力をいただくことで貴重な経験となりました。