鹿児島農場産マンゴー
日本では高級果実として知られているマンゴー(Mangifera indica L.)ですが、熱帯の国へ旅行すると至る所にマンゴーの木が生えており、日本とは比べ物にならないくらい安い値段で売られています。マンゴーは熱帯果樹のため、日本では施設栽培を行わなければなりません。暖房のための大量の燃料代、きれいな果実を作るためにたくさんの農薬が使われ、多くの労力、経費をつぎ込んでいるので、どうしても高価な果実になってしまいます。
そこで、手間と経費をかけずにマンゴーを栽培するために、鹿児島県南さつま市坊津町にあります、熱帯植物機能開発施設では、無加温無農薬マンゴーの栽培に取り組んでいます。施設のある坊津町沿岸部は黒潮の暖流の影響で、冬でも霜が降りることはほとんどなく、なんとか暖房を使わずに栽培することが出来ます。しかしマンゴーにはチャノキイロアザミウマという小さな害虫が大発生し、無農薬での栽培は現実困難だといわれていました。そこで今回使用したのが天敵利用の生物農薬。要するに虫をもって虫を制することです。スワルスキーカブリダニという小さなダニと、日本在来のヤマトクサカゲロウの幼虫をハウス内に放し、害虫の防除をしてもらいました。どうしても慣行栽培のような綺麗な果皮のマンゴーはなかなかできませんが、味は抜群です。たくさんの農薬とたくさんの燃料を使った外見がきれいなマンゴーと、見た目は悪いけど、無農薬無加温、環境に配慮したマンゴー。皆さんはどちらを選びますか?

きれいな赤色がなかなか出ません。

たくさん取れればよいのですが。