田淵俊人のホームページ
  • 研究テーマ一覧
  • 花菖蒲図鑑
    更新日 2025年9月16日

    • 用語解説
    • 品種一覧
    • 花菖蒲の起源(最新の科学的データに基づいて明らかになりました。2023年5月14日)
    • 文献一覧
    • 年代別 本学における栽培種のハナショウブ、野生種のノハナショウブの研究業績一覧
    • 写真撮影方法
    • 植え替えのポイント
    • 土の種類:有機質肥料や発酵促進剤は不要です
    • 2〜3月の管理作業
    • 4〜5月の栽培のポイント
    • 5月初旬の栽培方法
    • 夏場の作業
    • 秋の栽培のポイント
    • 根の生育診断−茶色になった葉はすぐに取り除きます
    • 10月下旬の株のチェック(根の張りを特に注意)
    • 江戸系、肥後系、伊勢系の「古花」の保存法
  • ノハナショウブ
  • 玉川学園の野鳥
  • 相模原市緑区の野鳥
  • 社会活動
  • プレスリリース
  • 教育研究活動
  • 卒業研究テーマ
  • 玉川大学収穫祭
  • 学会
  • 論文
  • 書籍紹介
  • プロフィール
  • リンク
  • トップページ
  • 農学部オフィシャルサイト
  • 玉川大学・学園総合サイト

花菖蒲図鑑

TOP > 花菖蒲図鑑 > 品種一覧-た行 > 爪紅

つまべに

爪紅

Tsumabeni

長井(例外) 【花容】垂れ咲き【英数】三英 【花色】白地に淡い青紫色のかすりが入る
【開花時期】6月中旬(2008年は6月13日開花)

外花被 : やや細長い丸弁で開花が進むにつれて、おおらかに下垂します。白色の筋が先端部に向かって伸長します。肩の部分は内巻きとなっています。アイの黄色部は良く目立ちます。
内花被 : さじ状で軸方向に直立し、白色ですが、先端部が赤紫色、もしくは青紫色に着色し目立ちます。
花柱枝 : 短く軸方向と直角に水平に伸長します。先端部は裂開して、著しく内巻きとなったずい弁が発達します。ずい弁の周縁部には鋸歯状構造は認められません。純白です。
備考 : 山形県・長井地方に古くから伝わる品種の一つで、昭和37年に発見され、長井市によって命名された品種です。他の長井古種と同様に、長井市の「あやめ公園」で保存されています。この品種の特徴は、外花被片が白くて下垂すること、何よりも、内花被片が白色で先端部が赤紫色になることでほかの品種と区別が可能です。
長井市の近隣、飯豊町萩生(いいでまち・はぎう)周辺のノハナショウブ由来の花菖蒲であることが、本学の研究で科学的に明らかになっています。特に、当時、本学で当局の許可の基に採取した株に、白色個体(変異個体)が出現しましたが、この株由来であることが本学の研究で明らかになっています。本学では、30年以上にわたり、これらのノハナショウブを貴重な遺伝資源として保存しています。
「長井小紫」と「長井古紫」「舞小町」を参照ください。長井市では「長井古種」をいくつか選定して「あやめ公園」に栽植しています。
参考文献 :
  1. 田淵俊人.2015.日本固有植物と文化 (1)ノハナショウブと農村文化 日本固有植物の保全に向けた提言 (1)日本の風土が育んできた、固有の植物と文化の関係 『花かつみ伝説』に見られる園芸文化.日本固有植物と文化−生態系の喪失が日本固有植物に及ぼした影響とこれら植物の保全について−p13−14,23−29.花と緑の博覧会,大阪.
  2. 田淵俊人.2014.伝統園芸植物の保全とナショナルコレクション」−「古典園芸植物の花菖蒲−その起源となったノハナショウブの文化財、遺伝資源としての保存」.公益社団法人 日本植物園協会 平成26年度 第2階植物研究会 要旨(代表:岩科司).
  3. Tabuchi,T.2014. Physical and Biological Properties of Agricultural Products. (Kondo,N., T.Nishizu, T.Hayashi, Y.Ogawa, H.Shimizu and K.Goto edts. ) Physical and Biological Properties of Agricultural Sections 2.3.3-2.3.6 Dermal system(1) Morphological characteristicsof epidermis (2) Fluidity and frictional properties in relation totrichomes (3) Optical characteristics related to epidermal cells and the structure of the surface (4) Optical properties related to suticuleand wax (5) Pigment&optical properties 2.3.4.Fundamental tissue systems (1) Shape and structure of plant (2) Intercellular space (3) Cell wall (4) Cell size and arrangement (5) Pectin 2.3.5.Vascular bundle system (1) Xylem tissue (2) Phloem tissue 2.3.6. Inclusions in the cells (1) Polysaccharide and starch grain (2) Protein (3) Secondary metabolismsを分担執筆.Kyoto University Press, p34-p59. ISBN:9784876983896
  4. Chino Nanae, Takayuki Kobayashi and Toshihito Tabuchi. 2020. Characteristics of the Japanese wild iris mutant showing white color on the rim of the outer perianth found around the Shirakami Sanchi. Shirakami Kenkyu. 14:49-64.Hirosaki University press.
  5. 小林孝至・和田 瞳・人見明佳・田淵俊人.2016. アイソザイム 解析から見た、ハナショウブの起源−ノハナショウブとの比較−  園芸学研究. 園芸学研究16(1):412.
  6. 知野奈苗・小林孝至・田淵俊人。2020.エステラーゼアイソザイム 分析による伊勢系ハナショウブの起源.園芸学研究.19(別 1):416.

戻る

▲TOP

当サイトの全ての文章・写真・図版の無断転載を禁じます。
個人情報保護 | 著作権・リンク | このサイトについて
Copyright (C) Tamagawa Academy & University 1996- All Rights Reserved.